及ばぬ鯉の滝のぼり

2014年12月05日

【日本S】孔明「64」首位発進

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー最終戦 日本シリーズJTカップ第1日(4日、東京・東京よみうりCC、7023ヤード=パー70)

 初の賞金王を狙う賞金ランク1位の小田孔明(36)=フリー=が1イーグル、4バーディーの6アンダー64をマーク、大会初の首位スタートを切った。雨の降る条件の中、苦手の寒さを克服して唯一のボギーなし。逆転キングへ優勝するしかない状況の賞金ランク2位・藤田寛之(45)=葛城GC=、同3位の近藤共弘(37)=フリー=との同組対決で強烈な“先制パンチ”を見舞った。

 嫌な流れを孔明が豪快に断ち切った。藤田が1、2番と続け、近藤が2番で先行させたバーディーを奪えず迎えた6番パー5。残り231ヤードを4ウッドで2オンさせ、ピン右下23メートルからのパットだった。「とにかくバーディーが欲しかった。必死に寄せたい気持ちだけで打った。あれが入ってくれてその後も何とか耐えられました」。真っすぐな思いと同様、ボールは一直線にカップへ沈み、イーグルとなった。

 8度目の出場。トップ10入り6度と相性のいい大会でかつてない緊張に襲われていた。3人で談笑しながら回ったが「『もう嫌だ、早く終わってくれ』と思ってた。イーグルを取るまでは足がフワフワしていた」と胸の内を明かした。

 体感気温は5度を下回っていた。大半の試合に半袖で臨むだけに、長袖を着なければならない寒さは「体の動きを妨げられるのが嫌」で苦手だった。しかし今回、初めて重ね着をした。契約する本間ゴルフでは上質な糸で織ったカシミヤセーターの下に特注のタートルネックの黒い長袖ストレッチウエアを用意。「縫製の糸までこだわった柔らかくて軽い物」(同社)。雨で気温が下がった後半、その効果で得意のアイアンがさえ渡った。

 13番は左40センチ、14番は上1メートル半、16番は上3メートルにつけてバーディーを量産。対照的に寒さで左肩痛に苦しみ13、14番でボギーをたたいた藤田を突き放した。大会では自己最少の64で初の首位発進に「もう最高っすよ。(藤田、近藤の)2人に1打でも多く勝とうという感じだったんで」と丸い顔をほころばせた。

 賞金王へのこだわりがある。60歳で第一線を退き、ゴルフスクールを開く夢を抱く。自身は「福岡のド田舎」からプロになった。「裕福じゃなかったし、皆を楽にしたかった」。ハングリー精神ではい上がってきた。「経済的な理由でゴルフができない子供もまだ多い。そういう子をサポートして五輪で金メダルを取れたら。そのためにも肩書が欲しいっすね」。夢の実現へ向けても絶好のスタートを切った。

 「残り3日は我慢」。通算8勝のうち7勝は最終日を首位で迎えた。得意の“逃げ切りの計”で、群雄割拠の賞金王争いを制す。


Posted by 华英 at 11:00Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。